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<blackboard特別企画>ザ・コインロッカーズ「泣かせてくれないか?」収録現場に密着レポート&インタビュー



インタビュー

『blackboard』とは……
大きな黒板を前にアーティストが“先生”となり、楽曲を“教科書”として「歌に込められたメッセージ」を視聴者に伝えるYouTubeチャンネル。

収録現場密着レポート

 2021年2月28日、Text 33の収録が都内某所で行われた。“教壇”に上がった“先生”は、秋元康プロデュースによる13人組ガールズ・バンド・アイドル、ザ・コインロッカーズ。『blackboard』には2度目の登場となるが、前回は代表して2人だったのに対し、今回はフルメンバーの13人が勢ぞろい。この日、Billboard JAPANは映像が作られていく過程に迫るべく、収録現場に潜入して密着取材を行った。



 メンバーが13人もいるだけに機材も多い。それぞれの楽器をスタッフが入念にメンテナンスする。ちなみに、この人数は『blackboard』史上最多だ。チャンネルのロゴイメージでも使用されているカラフルなマイクも、実際にパフォーマンスで使用されるもの。バリエーションは計11色で、動画の冒頭、ボーカルが使うマイクを選ぶのが、このシリーズでは恒例のオープニングとなっている。



 歌詞が書かれた黒板は『blackboard』の象徴そのもの。楽曲や歌詞の世界観とリンクするデザインは毎回の注目ポイントだ。映像は最終的に様々な画角で構成されるため、カメラチェックも細部にわたって行われる。

 今回、ザ・コインロッカーズが披露する楽曲は、3月24日にリリースされた1stアルバム『青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ』から、作詞を秋元康、作曲をツキダタダシ、編曲を長澤孝志が手掛けたリード曲「泣かせてくれないか?」。物憂げな旅愁を牧歌的なメロディで紡ぐフォーク調のナンバーだ。黒板に描かれたイラストは、まさしく楽曲の世界観を連想させる、鮮やかな青春の原風景のような作品。



 現場入りしたメンバーは、まず着替えやメイク、ヘアセットなどの準備を済ませる。空いた時間ができれば、何気ない話題で談笑したり、ケータリングで食欲を満たしたり、過ごし方は様々だ。ボーカル担当のメンバーは、別室でストレッチや声出しも行う。

 準備が整い、いよいよ収録がスタート。まずは数回にわたるリハーサル、そして本番へ。現場の緊張感が高まる。




 収録中はライブハウスやフェスのステージとはまた違う、独特な空気が漂う一方で、メンバー同士は和やかにコミュニケーションをとりながら、パフォーマンスの見せ方を調整していく。この時点ではまだ未発表の楽曲だったため、ステージで演奏するのは彼女たちにとっても初だった。

 歌い出しは船井美玖、続いて宇都宮未来、そして2番に入るとEmily、絹本夏海がボーカルを繋いでいく。13人全員がマイクに向かうサビは、こんな時勢でなければオーディエンス一体となって大合唱が起きそうなグッド・メロディだ。



 モニターで仕上がりをチェックするメンバー。ステージ上に立つものとして、客観的に自分のパフォーマンスを見ることは、表現力を向上させる意味でも大切なことだ。そして無事にパフォーマンス収録が終わると、続いては動画冒頭の挨拶シーンの撮影へと移り、最後は動画サムネイル用にメイン・ボーカル4人がスチール撮影を行う。

 こうして収録はクランクアップ。完成した動画がこちらだ。



ザ・コインロッカーズ「泣かせてくれないか? (blackboard version)」


インタビュー

 サムネイル用の撮影を終えたところで、ボーカル4人をキャッチしてインタビューも実施。絹本は前回も登場したので2回目、それ以外の3人は初めてだった『blackboard』の収録について、そして披露した楽曲「泣かせてくれないか?」について、話を訊いた。

――まずは収録の感想を聞かせてください。

船井:私は初めての『blackboard』でしたけど、動画はよく見ていました。やっぱり緊張感のある雰囲気だし、最初はドキドキしていたんですけど、メインは4人で歌っていることもあって、だんだんと緊張もほぐれていきました。

絹本:照明が当たると緊張しちゃうんですけど、『blackboard』はステージがけっこう暗めなので、落ち着いていましたね。前回の反省点にも注意しつつ、楽しくできたと思います。

Emily:13人で演奏するのが久しぶりだったので、私はやっぱり緊張しました。歌を収録するのはレコーディングやテレビ番組ぐらいで、機会が少ないからこそ、1回1回が緊張します。

宇都宮:パフォーマンスに関しては緊張するかなと思いつつ、実際は楽しさが勝りました。緊張したのは冒頭の挨拶で、曲について説明するところなんですけど、生徒さんたちがじっと見ている中、一人で喋るのはすごくドキドキしました。



――今回披露した楽曲「泣かせてくれないか?」についても聞かせてください。ノスタルジックなフォーク調の世界観には新しい一面が見えつつ、どこか物憂げなムードは1stシングルの「憂鬱な空が好きなんだ」を思い出させる感じでもあります。

船井:13人体制になってからは青春っぽさとか、みんなの元気な感じが表現されている明るい曲が多かったんですけど、アルバムのリード曲が「泣かせてくれないか?」に決まったとき、私は「あぁ、やっぱりここにたどり着くんだ」と思いました。「憂鬱な空が好きなんだ」からアルバムの節目でまたこういう楽曲がリード曲になったことにはすごく意味があるなと感じます。

絹本:サビは全員が歌っているんですけど、3年間の集大成になる楽曲ということもあって、13人の声が重なった音源を聴いて、胸がすごく熱くなりました。この曲を流しながらお風呂に入ったりしているんですけど、つい泣きそうになってしまうぐらい、思い入れが強いです。



Emily:私のお父さんはカントリーが好きでよく聴いていたんですけど、初めて「泣かせてくれないか?」を聴いたとき、ちょっとそういう感じだなと思いました。私の頭の中では牧場の風景が一番最初に思い浮かびました。イタリアって牧場が本当に多くて、お父さんの地元も牧場だらけだったので。中でも私が歌っているパートは<美しい満天の星に教えられた>から始まる部分で、最初は日本語の意味が分からなくて、言葉を調べて意味を知ったんですけど、“美しい満天の星”ってなんて素晴らしい言葉なんだと思いました。歌うときもそういう景色を頭の中で想像しながら歌っています。

――情景が思い浮かぶような言葉も多く、旅立ちの切なさ、寂しさを表現した歌詞になっています。

船井:自分の夢を追いかけるために、何かを捨てていかなきゃいけないのかなと考えさせられました。<片道のチケットを手に入れたSeventeen>というフレーズがありますけど、それこそ私は17歳のときに片道チケットを握りしめて上京してきたので、この部分は泣きそうになる気持ちを歌にも込めましたね。

Emily:私はいま15歳で、あと2年後には“Seventeen”になるので、自分にも当てはめて聴くことができるなと思いました。「泣かせてくれないか?」って、つまり泣くのを我慢しているということなので、「泣いてもいいんだよ」と優しく声をかけてあげるような、一歩踏み出させてあげるようなメッセージだと感じられて。自分も高校への進学を控えているので、同じ年代の方々には特に共感してもらえるんじゃないかなと思います。

宇都宮:別れに対する寂しさとか、色々と複雑な感情で泣きたくなることもありますけど、自分たちは前に進まなきゃいけないし、時には強がってしまったり。そういうメッセージ性はコイロカと重なる部分でもありますし、聴いてくださった方がそれぞれ深読みできるんじゃないかなと思います。



――やはり『blackboard』の醍醐味は「歌に込められたメッセージ」です。歌への感情の込め方、言葉の届け方などで気をつけたことは?

船井:私が一番初めの歌い出しを担当させていただいているんですけど、けっこう渋めに歌っているんですよ。今までも色んな曲調を歌わせていただきましたけど、この曲に関しては特に声色が違くて。人によっては「誰の声?」と聞かれたり。1stシングルのカップリング曲だった「月はどこに行った?」を少し思い出させる感じで、あの曲は私にとって初めてレコーディングした曲だったので、そういう意味では原点回帰みたいな気持ちです。ただ、アルバムのリード曲でもあるので、違った一面も見せられたらいいなと思って歌いました。

宇都宮:船井がけっこう渋い感じで歌っているので、私も今回、いつものイメージとは違う、ちょっと明るめの雰囲気で歌ったりして、メリハリをつけるようにしました。歌詞の世界観もパートごとに違うので、対比が感じられるようになっていると思います。

絹本:私は自分自身の歌声がけっこう低音だと思っているんですけど、そこを生かせた曲だなと思っています。あと、情景が思い浮かぶ言葉が多いので、自分が歌っているときも<眠ろうと目を瞑った俺のこと何度も起こした>という部分では実際に目を瞑ってしまうし、<ああ もう少しだけ泣かせてくれないか?>というサビでも本当に泣きそうな顔で歌っていて。

Emily:もともとハキハキと歌うのが苦手で、昔からゆったりとしたバラードをよく歌っていたので、こういうミドルテンポな曲調は難しかったです。



――Emilyさんは唯一のアコギでもありますよね。

Emily:今まではずっとバッキングだったんですけど、今回イントロではエレキと一緒に初めてリードを弾いているんですよ。なので、ひたすら弾いて、ずっと練習していました。レコーディングに行く10分前ぐらいまでギターを触っていました

――黒板はみなさんも今日初めて見たんですよね?

船井:そうなんです。<ありふれた黄昏の風に吹かれて>という歌詞があるんですけど、それもあって色がグラデーションになっているのかなと思って。一色ではないことで情景がより浮かびますよね。すごく綺麗だなと感じました。

絹本:前回の「仮病」のときは寒色系だったんですけど、今回は暖色系なので対比も楽しめると思います。歩き去っていく人のモチーフも描かれているので、歌詞と照らし合わせてながら聴いてほしいです。

――13人がステージに乗る絵面もインパクト大でした。

船井:初めに聞いたとき、びっくりしました! 13人が乗るかどうか以前に、まずドラムセットが3台も乗るのかっていう(笑)。でも、無事に撮影できてよかったです。




Interview&Text by Takuto Ueda
Photo by Yuma Totsuka

ザ・コインロッカーズ「青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ」

青春とバンドは、楽しくてメンドクサイ

2021/03/24 RELEASE
WPCL-13278 ¥ 2,200(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.憂鬱な空が好きなんだ
  2. 02.泣かせてくれないか?
  3. 03.仮病
  4. 04.僕はしあわせなのか?
  5. 05.桜なんか嫌いだ
  6. 06.コインロッカーの中身
  7. 07.夢がない僕が夢をみたんだ
  8. 08.最後の蝉
  9. 09.月はどこに行った?
  10. 10.マジでピンと
  11. 11.孤独でいることに慣れてしまった
  12. 12.小田急線
  13. 13.その日
  14. 14.歌いたくて歌いたくて

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